ヤップの石貨

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横スクロールの2枚目の写真はミクロネシア連邦はヤップ諸島の石貨です。

以下、拓海広志著「新訂ビジュアルでわかる船と海運のはなし」からの引用となりますが、石貨にはこのような意味があります。
 「太平洋に浮かぶ小さな島々からなる国・ミクロネシア連邦にヤップと呼ばれる島々があります。ヤップでは昔から男たちがシングル・アウトリガー・カヌーに乗って南西約500㎞のところに浮かぶパラオ諸島まで渡り、そこにあるライムストーン(結晶石灰岩)を円形に切り出して持ち帰るという航海をしていました。持ち帰った石はヤップでは貨幣(石貨)として流通するのですが、石貨の価値は往復の航海の苦労や、その後のヤップでの使われ方など、島の間で共有できる物語のよって決まったといいます。
                  (中略)
 パラオ諸島では珍しくもない結晶石灰岩が、それを産しないヤップでは貴重な財産となることに、私は人類の交易の原点である「未知の世界への憧れ」と「モノに介しての異文化交流」を知る思いがしました。そして、石貨を運ぶことに伴う苦労の度合いがその価値を決めるということに、私は古き良き時代の流通のあり方を偲びつつ、物語のよって商品の付加価値を高めるという現代のマーケティングにも通ずるものを感じていたのです。」

商品を運ぶことが商品の価値を創造し、商品を運んだ苦労がしっかりと報われることを目指して、石貨の写真に言葉を添えました。